今回は近江八幡にある観音寺城跡と観音正寺に行ってきました。
観音寺城跡が思ったよりも良くて、これはなかなか、お城好きなら行った方が良いくらいです!
所在地は滋賀県近江八幡市安土町石寺二番地 (地図を見る)
観音正寺の住所です。
観音正寺と観音寺城跡のどちらに行くにしても、麓から登山をするわけじゃなければ、普通は途中にある駐車場まで行くと思います。
駐車場は2か所あって、繖山の南側からのコースと、北東にある繖山公園付近からのコースがあります。
大きな違いは南側からだと駐車場から観音正寺まで430段ほどの階段を上らなくてはいけないのに対して、繖山公園からだと駐車場から観音正寺まで坂道なのでずっと楽です。
階段はこんな感じ。
坂道はこんな感じ。
自転車の場合、上り坂だけなら南側の方が楽だけど、階段も含めると繖山公園からの方がトータルで楽だと思います。
そして観音正寺まで来たらこんな感じ。
いきなりの仁王像w
観音正寺は西国三十二番札所で、聖徳太子によって開かれたお寺だそうです。
右手に建物が並び、左手は街が一望できて、気持ちの良いお寺です。
奥まで進んだところが本堂。
観音正寺はもともとあった建物がいくつもなくなってるみたいで、2022年の聖徳太子1400年御遠忌事業として観音堂などが復元されるみたいです。
それに本堂は平成5年という割りと近年、火事で一度なくなったみたいだし、外にある釈迦如来像も第二次世界大戦の時に持っていかれたみたいです。
でもそれがこうしてまた復元されているというのも良い話ですよね。
その釈迦如来像がこちらで
この後ろに観音寺城跡への道があります。
本丸跡までは結構すぐなので、お寺参りが目的の人も是非どうぞ。
そしていよいよ観音寺城跡です。
城跡が目的で車などで駐車場まで行く場合、繖山公園近くからのコースがおすすめです。
なぜなら駐車場から観音正寺に向かってすぐ右に布施淡路丸の遺構があって、たぶんこれが観音寺城跡の中で一番しっかりと残っているからです。
ただそのわりにすっっっごく草ボーボーでまともに見られるような状態ではないので、行ける人限定です。
まず駐車場から未舗装路を歩き始めたらすぐに右の土手の上を見てください。
こんな感じの石垣が結構長く続いています。
この上に行くところの道がすごく分かりにくくて、こんな感じになってます。
写真は駐車場方面に向かって撮っています。
丸で囲っているところに「淡路丸」と書かれた案内板が土手方向を指しているのですが、草ウォールに阻まれています。
左の看板の所もだいぶ草ボーボーなのですが、5メートルほど進めば、あまり草の無い状態になるので、最初だけ行ければあとも行けます。
そしてすぐに石垣のあるエリアに。
上から見ると城壁のようになっているのが分かります。
写真だと草で分からないので、ちょっと書いてみました。
城門っぽい感じで石垣が組まれています。
ここの道というところから少し入ったところがこれで
横に伸びている石垣がさっき道を歩いている時に見ていたもので、結構広い範囲が囲われているのが分かります。
ここのエリアが一面見渡せたらなかなかのものだと思うのだけど、なぜこんな状態なんだろう。
この布施淡路丸の向かいに目賀田丸があるのですが、こっちはさらに分からない状態です。
道に戻って観音正寺に向かいます。
途中に「佐々木城跡・三角点」という案内板があって、そちらに山を登っていくといくつもの屋敷跡があるみたいなのですが、実際にはそれを確認することがほとんどできません。
地元の人の話によると、草がなければもう少し石垣があるのが分かるとのことでした。
途中に大正に建てられた大きな碑があるので、もしかしたらその頃は草木が少なくてもっといろいろ確認できたから、本丸の方じゃなくてこっちに碑を建てたのかもしれません。
唯一確認できるのはたぶん三国丸というところのこれくらいです。
なので、「佐々木城跡・三角点」の案内板のところは山の方に登らず、観音正寺に向かうのがおすすめです。
観音寺城跡全部回りたい!という人でも、ここから登る意味はあまりなくて、もう少し先から登る方がおすすめ。
少し進むと「奥の院」というところがあって、鳥居と巨石があります。
ここの巨石の端にまた石垣があって、それを眺めながら進んでいくと、どうみても城門らしきところがあります。
もう少し行くと「ねずみ岩」というのがあって、ここからさっきのあまり見るところのない屋敷跡ゾーンに行くことができるので、観音寺城跡全部回りたい人はそちらに登っていって下さい。
奥の院のところからも同じ場所に登れるのでそちらからでも良いです。
どちらから行っても周りは草ボーボーなのですが、少し観音寺城跡の曲輪らしきところや石垣を見ることができます。
道を進むとまもなく観音正寺があります。
最初にトイレの建物があるので、必要な方はどうぞ。
入口の所もしくは本堂で入山料を払い、釈迦如来像の後ろから本丸跡に向かいます。
ルートがいくつもあるからか、ここはあまり人が通っている感じがなく少しうっそうとしています。
でもこれは最初だけで、そのあとは割りとすがすがしい感じの山道になります。
道中の看板を目印に少し上に上って、観音寺城跡本丸跡。
奥に石垣があって、これが右方向にしばらく続きます。
ここの右手から石垣の向こうに行けるので
そちらに進むと井戸があります。
見た目は古墳みたいです。
井戸「跡」となっているけど、現役で井戸として機能しそう。
中は澄んだ水が溜まっていて、普通の井戸と比べて汲み上げなくて良いので使い勝手も良さそうです。
ただ山で水と言えば蚊。
そんなところに獲物(私)がのこのこと入ってきたものだから、すっっごいたくさん蚊がきましたw
すぐに走って逃げましたw
来た道を少し引き返して、平井丸跡に向かいます。
平井丸の手前くらいから石垣があって、端の大石垣のところまで続きます。
なかなかの石垣です。
ここの向こうが平井丸。
観音寺城跡って伝〇〇丸というのがいくつもあるのですが、これって「〇〇さんの家らしい」ということですよね。
なので、池田とか木村とか馬場とか、聞いたことのあるような名前が登場します。
平井さんの家の前は落合さんの家だったみたいです。
ここから池田丸まで右手に低く石垣が続き、観音寺城跡のパンフレットにも名前は載ってないのですが、誰かの家跡らしきエリアが並んでます。
案内看板も無いからか、誰も入らなくて草がボーボーでした。
「誰かの屋敷跡」みたいな程度の看板でもあれば、人が入ってそんなに草も生えないのにね。
端の池田丸は結構広い空き地です。
ここまで歩いてきた道から池田丸を横断する感じで反対側が覗けて
こんな感じ。
実はこちら側の石垣、さっきの落合氏屋敷跡からずっと続いているので結構残っています。
むしろこちら側を普通に歩けたらなかなかなんじゃないかと思うくらいです。
図を書くのがめんどくさいので記号で書くと
平井丸
|〇|←低い石垣
|〇|
|〇|道
|〇|
|〇←池田丸
↑高い石垣
こんな感じ。
遺構だけを見れば、NHK大河ドラマ「江」の舞台、小谷城跡よりもずっと残ってます。
空き地に戻って先に進み
すこし荒れた道を下っていくと
女郎岩というのがあって、山際の開けた場所に出ます。
観音寺城跡の旗があるこの場所が、大石垣の上です。
大石垣自体は左右どちらからでもいいので少し下ると見えて
こんな感じ。
なかなかですよ。
写真は来た道からもう少し進んだところです。
下の方にも行けるのですが、そこまで行くと草に隠れて石垣があまり見えないんですよね。
そこから反対側にも行けるのですが、そちらも同じく草に隠れて石垣はあまり見えません。
そちらには何かイベントでもあったのか札がかかってました。
見てください、「笑顔でいられますように」って。
ギスギスした大人に見せてあげたいw
観音寺城って坊(お坊さんが住んでいたところ)だったんじゃないかという考えもあるみたいです。
そもそも、この城壁や曲輪(屋敷跡などのエリア)って城なんじゃなくて観音寺(もともとの名前)のものだったのかもという考えからです。
確かに北側も含めると屋敷跡がすごく多くて、山城ということもあるかもしれないけど、彦根城や安土城のような防御策もあまり見られません。
そのせいで、織田信長に攻め入られてすぐ逃亡したのかもw
でも坊だとしたらすごく立派な坊だったんじゃないかと思える曲輪ですよね。
観音寺城跡や観音正寺へは多くの人が車やバイクなどで行くと思います。
車で行く場合の地図は近江八幡・東近江 観音正寺ヒルクライムというページに載せているので、そちらを見てもらうと早いです。
この場合、まず有料道路でお金がかかるのと(自転車・徒歩は無料)、駐車場から観音正寺を抜けて行く場合は入山料が私が行った時で500円でした。
入山料って全てのルートでいるのかどうか分からないのですけど、ルートによっては払うところがないんですよね。
私が行ったわけじゃなく聞いただけなのですが、ひとつは表参道ルート南東の日吉神社の近くにあるルート。
ふたつ目は五箇荘から観音正寺の駐車場まで行って、そこから途中にある脇道を三角点の方に向かってから観音城跡に行くルート。
三つ目は近江風土記の丘から登るルート。
そしてもうひとつが桑実寺からのルートです。
桑実寺からはそこの拝観料がいるみたい。
登山が目的じゃなければ五箇荘から観音正寺の駐車場からのルートなら、歩く距離も短いし、お金も道代だけですね。
もともとハイキングコースとしても人気の山で、実際に私もこの辺で登山者らしき服装の人を見たことがあります。
なので、麓から歩いて観音寺城跡まで行くなら、道路代も、入山料も払うところがないんです。
この入山料は観音寺城跡の整備とかに使われているみたいなので、募金じゃないけど、観音正寺まで行って払ってもらえると良いかと思います。
そんな感じの観音寺城跡と観音正寺でした。
観音寺城は、一体いつ、何のために消失したのか分からないのですが、1568年に地獄よりの使者織田信長に攻撃されて、観音寺城の城主だった六角氏が逃亡したとの話があります。
例によって、ですよw
それはともかく、観音寺城跡は遺構も結構残ってるし、個人的にはあんな形の井戸が残っているというのがすごくレアなんじゃないかと思います。
復元とかじゃないですよね?
観音寺城跡って日本五大山城に選ばれているくらいあって、さすがになかなかすごいです。
その割りに同じく五大山城の小谷城跡と比べると草がボーボーすぎて残念です。
石垣とかは動かしてほしくないけど、草は無い方がいいなぁ。
観音正寺の北側と南側の草がもし全部無くて、曲輪全部が確認できたとしたら、ホントにすごいことになるような気がします。
ともかく、遺構も結構残っているし、尾根を切り開いて作られたお城ってなかなか熱いものがあります。
お城好きな人にはかなりおすすめできるので、是非行ってみてください。
観音寺城跡と観音正寺のページでした。
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